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駅前第四ビルが愛した植樹

何も持たない君に、武器はもう必要ない。

リバーフェニックスは、ろくでなしか

リバーフェニックスは1993年の深夜に、命を落としたらしい。 クラブで友人らと機嫌良く飲んでいた彼は、しかし突然、喘ぎ出し、よろけながらも店を出た。そこで卒倒、意識不明のままで病院に運ばれた。 手を尽くしたが五十分後に死亡が確認されて、二十…

母を愛して父を知らない暗闇の子供

少年は父親を知りませんでした。 だから母親だけが頼りだったのです。少年はいつも心細かったのです。父親だけでなく、風景さえも見たことがありません。色彩も光も、実は母親の顔さえも知りませんでした。少年の眼(まなこ)には何も映りませんでした。花も…

幸福と本能の葛藤

彼と彼女がおのれの幸福のために、本能と懸命に葛藤した数時間の物語です。 暗くてじめじめした場所でした。隙間から差し込む日の光が邪魔でしかたなくて、まるで亡者が踊りだしそうな暗闇でした。そんなところが彼の住処だったのです。生きるということは、…

幸せになりたい彼女が本当に幸せになる方法

彼女は10歳になるまで、優しい父母に可愛がられて、たいそう幸福に育ちました。 彼女の周りはいつも明るくて、見たこともないほど空は真っ青で、お日様がまぶしいくらいに輝いていました。けれどもやがて彼女が10歳になったころ、自分の容姿が醜いことを思い…

間違いなく、お前は病気だ

私は一度だけ、首の後ろに奇妙な気配を感じたことがあります。 心霊体験とかいうやつを、真顔で語る人を私はあまり信用しません。信用しませんが、私はときおり、真顔で心霊体験を語ってしまいます。 ロッキーズ(ケンタッキーの日本2号店)でアルバイトをし…

毛生え薬を眉毛に塗っていたのは、いったい誰だ

ケンタッキーの日本での2号店は大阪市平野区、喜連瓜破にありました。 ありましたという過去形は、現在はイオンの改築に伴って、店の場所が変わってしまったためです。 私は学生のころ、その、日本2号店でアルバイトをしていました。その当時の実話ですが、…

不幸のチップ

かつてテレビ電話などという物々しい言葉に夢をはせた、少年たちがいました。 あの手塚治虫の漫画でさえ、登場してくるのは、でかいモニターを備え付けた電話でしかなかったのです。 ところがスマホなるものが登場すると、かつての想像をはるかに上回るよう…