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何も持たない君に、武器はもう必要ない。

阿部定事件と226事件、同じ年に起こった二つの狂気

誰かに盗られるくらいなら、あなたを殺して……。

これは演歌、天城越えの歌詞の一節です。阿部定事件を思うとき、私はなぜかこの歌を思い出します。

阿部定事件と226事件、同じ年に起こった二つの狂気

背徳だと分かってはいても、恋い焦がれる心情にはどこか惹かれてしまうのが、人情かもしれません。もちろん事件そのものを擁護するわけではありません。

目に見えない思いというものを、人間の五感は否応なしに感じ取ってしまいます。それゆえに、阿部定事件はこれまで文学や演劇の世界で、特別な女性として扱われてきたのでしょう。

事件は昭和11年の5月に起こりました。阿部定は愛人、石田吉蔵の局部を切り取りました。

ハトロン紙に包んで身につけて逃走します。現場にはなんと「定吉二人キリ」という血書が残してありました。

局部を切り取るという異常な行為から、猟奇殺人として当時、大きな話題を呼びました。ただし現代の殺人のほうがむしろ、残酷で猟奇的だと私には感じます。

阿部定は取り調べや裁判で「好きな男のものを好くのは当たり前です」と、自らの異常性を否定しています。現代の殺人犯の多くが、自分の異常性を鼓舞するのとは一線を画する行為です。

だからこそ、阿部定の個性や心のうちが、文学や演劇に生きたのかもしれません。現代の殺人者たちにはそういったペルソナは一切、感じません。

まるでアニメに出てくる、世界を震撼させるためだけの魔王というが精いっぱいのところでしょう。

阿部定は妖婦ではあっても、やはり生身の女であると、私には感じるのです。

阿部定は東京下町に生まれたそうです。

子供のころからかなりの性悪で、浅草界隈を遊び歩くようになった言います。持て余した父親は、阿部定を花街に売ります。

どん底の暮らしをすれば素行も改まり、謝ってくるだろうと思ったらしいのですが、娘も娘なら、父親も父親だと私には感じました。

しかし阿部定も、やられたままではいませんでした。自分を花街に世話した男と関係ができて、稼ぎのほとんどを貢ぎます

改心するどころの騒ぎではなかったわけです。

やがて関東大震災が起こりました。これをきっかけに阿部定は娼婦に身を落として、各地を転々とします。そのあと妻子ある石田と、恋仲になってしまうのです。

それが運命だったのかもしれません。

阿部定は隙を見て、石田の首を絞めて殺しました。そして局部を切り取って「定吉二人キリ」という血書を残します。

逮捕された阿部定は、懲役6年の判決を受けて、刑に服しました。

阿部定事件

そして、226事件です。

226事件は、阿部定事件と同じ年の2月26日に起きました。

未明、雪をおかして陸軍青年将校ら1400余名が時の重臣および、朝日新聞社を襲撃しました。

しかもそのあと、永田町一帯を占拠したのです。

理想に燃える青年たちが目指したものは、あの日降った雪のように清廉潔白な未来だったのかもしれません。

彼らもやはり、阿部定と同じく、理想という最愛の人に身を焦がし、その命さえも縮めた者だと言えるでしょう。

ですが彼らはやり方を間違え、そして何よりも彼らの革命の結果が、軍閥ファシズム機構の確立に終わったという事実は、あまりにも皮肉で滑稽な結末と言えるのではないでしょうか。

時がすべてを飲み込んだとしても、彼らが成し遂げた行為は、無知な青年たちの暴力以上でも、それ以下でもなかったのです。

226事件

226事件が今後、好意をもって語られることはないでしょう。

ですが彼らもまた、現代の犯罪者とはまったく違った一面を持っていました。

くしくもこの年、起きた阿部定事件と同じく、その心情には憐れむべきものがあったのかもしれません。

散りゆく者たちに涙することこそが、日本人の日本人たるゆえんです。多少の判官びいきをお許しください。

最後に北一輝(きた・いっき)について記します。

翌年の8月、226事件を指導した罪で刑死した北一輝は、刑場でともに死刑となった西田税から天皇陛下万歳を三唱しましょうと誘われました。

しかし彼は「それにはおよばんでしょう。わたしはやめにします」と答えたのち、あわれ射殺されました。

結果がすべての世の中であるからこそ、過去の事件の一字一句を見逃さない心構えが必要です。善い人だからこそ起こす事件もありますし、悪人が刑を逃れることも多々あるのです。過去にも嫌というほど、憐れむべき犯罪者がいたのかもしれません。

彼らの冥福を心より、お祈り申し上げます。

最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました。

誠意をこめて、私はこの記事を公開します。

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