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駅前第四ビルが愛した植樹

何も持たない君に、武器はもう必要ない。

ドッグフードは開発段階で人間が味見をしているのか

ドッグフードについて夕べは心底、悩みました。

ドッグフードは開発段階で人間が味見をしているのか

私の悩み事はいつも厄介で、近所の小学生が利用している悩み事相談室くらいでは、とても収まりそうにありません。どうでもいいことが、気になって気になって仕方がなくなるのです。目が回ります。高所恐怖症がぶり返しそうで、怖いです。

とにかくドッグフードです。ドッグフードは犬の味覚に合ったものを、厳選して売られているのならば納得します。私が納得しようが呆れようが、実はドッグフード業界にとっては、それほどのことはありません。

私は三食、白いごはんに玄米を少し混ぜて、味噌汁があればそれだけでも、強引に食事を終わらせることが可能です。隣の犬よりも世話がかからないと、家内がいつも笑っています。

しかしドッグフードの場合、食べるのは犬なんですから、人間が味見をしているとしたら、解せません。そもそも人間同士であったとしても、味覚の良し悪しなんてかなりの誤差が生じるもんです。まして犬の場合、嗅覚があれほど優れているのだから、ひょっとすると味覚もかなりのグルメだったとしても不思議ではありません。

私がもしも人間のグルメ基準の標準的なプロトタイプだったとしたら、残念ながら私は犬よりも劣ります。柿を腐る寸前まで放置して、それでも足りずに食べる前に両手で揉み解し、汁をあちこちにこぼしながらねっとりと、口の中に押し込んだりするのが私の食生活です。私の家内は私の食べるさまを見て、気持ちが悪いと形容しました。

見たくない、品性を疑う、下劣極まりなし、数々の悪態をついて気分次第で私を責めるのが常でした。

しかしこれは本当は私の味覚ではありません。その昔、私のおばあちゃんがそうやって食べていたのです。しかしおばあちゃんには純然たる理由がありました。

総入れ歯で、歯がなかったんだからどうしようもない。だから柿を揉み解して半液体状にしてから食べていたのです。でも私はまだまだ歯が丈夫です。なのにおばあちゃんと同じ食べ方をしていることに、我ながらどこか矛盾を感じています。

しかし私にしても、これは改めようのないことでした。食の好みです。人間の尊厳です。気分次第でいくら責められたとしても、直しようがないのです。子どものころにおばあちゃんが、揉み解して半液体状になった柿を「お前もお食べ」と言われて渡されたことが、悲劇の始まりだったのです。

これはハッキリ言ってトラウマです。柿を半液体状にして食べないと、食べた気がしないという正真正銘の逆トラウマです。それを気持ち悪いとか、気分が悪いとか、お前はオカマかとまで罵られるのは、心外の域を越えて人権の問題にまで発展してもおかしくありません。

だからこそ、ドッグフードは人間の味覚などに左右されることなく、犬はどこまでも犬のための味覚を維持しつつ、犬自身が美味しいと思える食べ物を売り出してほしいと、私は心より願うのです。

トラウマがそうさせると、言い換えても構いません。

そんな私も好奇心に勝てず、ついついおぞましい行為に及んだことをここで白状します。ドッグフードがどんな味なのか、それが気になって気になって仕方なくて、身もだえするような日々を三日三晩数えた時点で、私は私の欲望に観念し、一つだけドックフードを口の中に入れてしまいました。隣のワンちゃん、ごめんなさい。シュプレモの超小型犬~小型犬用、なおかつ成犬用の3キロパックでした。

食べた感想は、あくまでも微妙、というのが正直な感想でした。味はほとんどありません。

味がないのが犬の好みか、それとも人間の味覚の押しつけなのか、判定のしにくい分野ですので、断定はできません。塩分糖分に慣らされた私の舌では物足りなさを感じるのは事実ですが、同時に普段なら傷んで仕方がないはずの口内炎が、びくともしませんでした。

刺激物が少ないことだけは、好印象だったと加点をします。

果たして研究開発段階で、ドッグフードをつまんで食べて、美味しいとか不味いとかの判断をしている者は、人間か、それとも犬なのか。

キャットフードでも同じですが、今回はとりあえずドックフードを調べてみます。隣のワンちゃんが妙に私になついたので、情が移りました。それともう一つ、私の家内のいとこの旦那さんが、その筋の人だったのでドッグフードを選びました。

どう考えても他人としか思えないその人は、前にドッグフード研究所に勤めていたそうです。

驚きです。そんな職業があることにびっくりしました。しかも彼と私にはまったく血の循環がないにもかかわらず、なぜか私に対して親近感を持ち、あれこれ世話をやいてくれる親切極まりない人だったのです。

妙に涼やかな額の部分だけでなく、彼の弁舌は軽やかで天使の羽根でも仕込んであるかのように、私には響きました。

それゆえかどうかはわかりませんが、私にしたってほとんど他人とは思えないような気持ちになり、親戚づきあいを密にしていた甲斐があり、普通なら決して覗くことのできないであろう、ドッグフード研究所などいった大奥ばりの禁断の園を垣間見る機会に恵まれたのです。

すみません。オーバーな表現でした。実際には行ってません。話を聞いただけです。

人間の味覚は千差万別、それぞれがおのおの選んだ食材を口の中に運ぶことができます。

フランダースの犬

これは人間特有の特権とも言うべきものです。ペットには残念ながら、不平不満を垂れる手段がありません。あくまでも言葉と言う意味でのコミュニケーションが不足しているのが、ペット社会での実情です。

たゆまぬ決意を示すために、一心不乱にハンストを決行したとしても、飼い主には残念ながらまったく何も伝わりません。体調でも壊したのかと勘違いされて、着たくもないTシャツを着せられるのがオチ、だからこそ突然不満が爆発して、グレる高校生のようになって誰彼構わずかみついたりしたら、それこそ大変なことになってしまいます。

だから私はほとんど他人と言ってもいいような親類縁者に、私の中でくすぶっている疑問をぶつけてみました。

「前に中国の工場で、落としたモノをパックに入れて、それくらい食べても死なへんやん、とか言ってるテレビ放送がありましたよね。ドキュメンタリー、あれはひどかった。でもドックフードなら、あれくらいは平気でやるんでしょ」
あの中国の方はあっぱれなくらいに無責任な人でした。

「相手が犬なら、なおさら死なないでしょ、道に落ちてるもんでも食べるくらいですから」
私はなおもしつこく誘ってみました。乗ってくるかどうか、慎重な目くばせで観察します。

「いやいや、そんなことはないんですよ。犬も人間も同じです。いやひょっとしたら、彼らは我々よりも幸せかもわかりません」
明るい笑顔で意味深な発言をしました。我々よりも幸せ者、意味がわかりません。犬と人間の幸か不幸かを同時に並べて比較している時点で、かなり怪しいと睨んで間違いないと思います。

「おかしなもん、混ぜてるでしょ」
こうなったらもっと突っ込んだ話をする必要がありました。しかしほとんど他人で親戚の彼は明るい笑顔を見せるのみで、乗ってくる気配はまったくありませんでした。焦れたのは私のほうです。

「ドッグフードなんて、しょせん人間が味見して、これくらいでいいだろとか言いながら、勝手に味も栄養も決めてるんでしょ。人間の食べ物でさえ、落ちたものをパックに放り込むくらいのことを平気でやるんだから」
直球です。私のせっかちはもはや抑えがききません。

「いやいやきっと驚きますよ。現場を見たら」
現場、ようやく尻尾をつかんだと思いました。よくドラマなんかでは、犯罪を行った場所のことを、現場と言っているのを聞いたことがあります。

「研究所を見たらみんな驚きます。ドッグフードのモルモットにされる犬たちがいましてね。その犬たちは、実に快適な環境で暮らしているんです。広い庭に屋根付きのベッドですよ。これを一匹で占有しているんだから、これはもう堂々たる一戸建てのオーナーといっても差し支えないくらいです」
一戸建てのオーナー、私は言葉を失いました。うらやましい。

「しかも月に一度はシャンプーしてもらえるし、専任の獣医までいるんです。まあ、彼らにはドッグフードを食べるという大切な仕事があるわけだから、こうした待遇も当然と言えば、当然なんでしょうけどね」
専任の医者がいるなんて、聞いてません。近所の高齢者がこんな噂を耳にしたら、大変なことになります。

「ドッグフードっていうのは、かなりの手間をかけて開発されています。味については20頭くらいの犬に、二種類のドッグフードをそれぞれ一週間、続けて与えます。どちらのドッグフードをたくさん食べたかを観察して、判断を下します。犬が食べるんだから、犬がうまい不味いを決めないと意味がありませんしね」
人間が味見をしているわけではなかったようです。

「それ以外にも、一種類のドッグフードを長い間、与えられる犬がいました。こちらは栄養の過不足がないかどうかを、調べるんです。まさに至れり尽くせり、私がモルモットになりたいくらいでしたよ。新製品が世に出るまでには、一年くらいテストをします。本当に、日本人のモノづくりの精神は偉大です」

話が終わると、ほとんど他人で親戚の彼は、屈託もなく笑いました。そして私もまた、彼と同じようにモルモットになりたいとひたすら祈るのでした。

隣のワンちゃん、ごめんなさい。

最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました。

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