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駅前第四ビルが愛した植樹

何も持たない君に、武器はもう必要ない。

認知症を予防しないと、鬼が出る

鬼というのは、認知症を発症した叔母のことではなくて、介護している私のほうが、鬼だったのです。

認知症を予防しないと、鬼が出る

叔母はオヤジの妹で、私が小さい頃から一緒に暮らしていました。だから私にとっては親戚ではなくて、家族です。

家族だからこそ、私は叔母の介護をしました。

詳しくは「認知症と悪魔と、夜中にかかってきた、病院からの電話」に記しています。

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私には嫁もいますが、私の家族は私が看取るべきだと考え、最低限のことしか頼みませんでした。

特に認知症を介護するのは、本当の意味での家族でないと無理だと思っています。

もちろん、嫁や子供のバックアップがあったからこそ、曲がりなりにも介護ができた、それは間違いのない事実です。

ただし、必要以上に頼らないようにしました。それは友人の話が気になっていたからです。

私の友人は嫁が親身になって友人の親の介護をし、やがて疲れ果て、自分の親の介護を迎えたときに離婚をしています。

「あなたは何もしてくれなかった」最後に、そう言われたそうです。

だから私は、自分の家族は自分で看取ろうと決めていました。

ただし口で言うのは簡単ですが、本当の意味で認知症を身近に感じ、介護の難しさを痛感したのは、叔母の様子が急変したころからでした。

始まりは叔母の一言、家に猫がおる、と言ったときです。明らかに叔母は、いないものを見ていました。

「あれが見えへんのか、あほか、お前は」

それから私は6年ほど、叔母と一緒に住み、叔母の介護を行いました。

よくテレビや映画なんかで出てくる、かわいらしい認知症の老人なんて、まったくのデタラメです。

認知症を発症してしまうと、憎らしいほど怖い存在になってしまいます。

だからこそ予防が必要です。認知症は発症してしまうと今のところ、治療はできません。

ただし、できるだけ早く予防に取り掛かれば、発症を遅らせることはできるかもしれないのです。予防の可能性があるのですから、できる限りの努力を、ぜひともするべきだと私は思っています。

でないと、鬼が出ます。

もしも私に、認知症に対する十分な知識があれば、もっと前にメンタルクリニックに通って、発症を遅らせる努力をしたはずです。

仮に発症が6年ほど遅れていれば、叔母はあんなに苦しまなくてもよかったし、私も仕事をやめてまで、介護をする必要などなかったのです。

認知症の介護は、かなり苦しい毎日が続きます。

叔母は腎臓に持病があったので、調子が悪くなると、しばらく入院しなくてはなりませんでした。ところが認知症が進むと、病院の看護師さんから深夜に呼び出され、もう面倒みきれませんから、明日にでも出て行ってほしいと言われたこともありました。

それよりも何よりも、叔母を精神病院に入院させたほうがいいんじゃないかと、本気でそんな恐ろしいことを考えたこともあったのだから、今から思うと私もどうかしていたに違いありません。

まさにあのときの私は、鬼でした。

亡くなる少し前に、メンタルクリニックの先生に診てもらいましたが、その時点では、もはや認知症はどっぷりと進んでいましたので、どんな治療もできませんでした。

もっと早く診てもらっていれば、ひょっとしたら、発症を遅らせることができたかもしれない。今でもそんな後悔を抱えながら私は、あのころのことを震えながら振り返っています。

私の場合は、すべてが後の祭りでしたが、今このとき、ほんの数年先を想像してみて、少しでも不安のある方は、ぜひ、認知症専門の医者に任せることをお勧めします。

やるだけのことは、やるべきです。

でないと、鬼が出ます。

これから経験するかもしれない人たちのために、このブログでは当時のことを、できるだけ正直に書いていこうと考えています。

それから私が見送った、4人と1匹のかけがえのない家族のことも記します。

私は10年間で3度、喪主となって葬式をしました。

オヤジはその前に亡くなっていたので、18年間で、4度も葬式をしたことになります。

おそらく次々と身内を見送ることこそ、私がこの世に生を受けた理由なのではないかと、今ではそんな風に思っています。

だとしたら、私は私なりに、生まれてきた意味を全うしたことになります。

でも、もう十分です。

「認知症と悪魔と、夜中にかかってきた、病院からの電話」へ続きます。

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最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました。

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最後まで読んでくれて、本当にありがとうございます。

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